それは人間讃歌でした

半年ほど前に書店で購入し、数ページ読んだだけで本棚に並べてた本があるのです。

『人間一生図鑑』

あの『ぼのぼの』や『I【アイ】』の作者 いがらしみきお さんが描いた最新作です。

何で数ページで読むのを中断したのか……

その本を何で今また手に取ったのか……

どちらも全く説明出来る何かがないのです。
「ただそうだったから……」としか言えないのです。

でも、そういう物事って、なんだか自分に優しい気がしませんか?
ふわふわっと気持ちの良い感触を得られるのは何故なのでしょうか?

で、再び読み始め、そして一気に最後まで読んだわけだが、何だかね……とんでも無く心突き動かされてしまったんですよ。

これはアレです。
私の生涯の座右の銘……ではなく、座右の本となりそうな予感がヒシヒシとしたのでした。
ずっと大切にしたい“本”だと感じました。

しかしまぁ、こういうことってありますよね。
「奇跡」のようなことなんですが、わりと頻繁に起こる こういう出来事。

こういう出来事があると、自分が歩んできた道を振り返ってみたら、そこにちゃんと足跡があるって思えるのです。
肯定された……そんな気がするのです。

作者の想像の産物である古今東西の人種、性別、思想を問わない二十人の一生をそれぞれ8ページで描き切った傑作。
その人生の儚さと尊さ。
それは人間讃歌でした。

以下は作者によるあとがきからの抜粋。

“この世界がどれほどの奇跡でできているのかがわかった。
この奇跡のような世界に生まれてくるのも、そこから消えてなくなるのも、
やはり奇跡だと思わずにはいられません。 それが人の一生なのでしょう……”

いがらしみきお

【追記】

この本を読んでいるとき、何度も何度も脳内再生されたのが米津玄師さんの『地球儀』でした。
あらためて、とんでもなく良い曲だなぁと感慨。
この曲もまた、私の座右の曲となりそうです。

ありがとうございます

2025年10月5日。

本日、我が DOODLIN’ BARBER SHOP は目出度く開店21周年を迎えることができました。

旧店舗で10年半。
新店舗に移転して10年半。
なんとちょうど同じ年月になったのでした。
それはもう山あり谷あり光あり影ありのエキサイティングでスリリングでファンタジーに満ちた21年間だったな〜と遠い目で嘆息しております。

これもひとえに、お客様の方々、家族、友人たちのおかげ様だなと。
ありがとうございます。

今後も、面白くてカッコイイものばかりを追いかけられたらなと思います。
今まではブンブンうるさいハチみたいでしたが、少しずつ華麗な蝶々のように舞いまくれるようになれたのなら本望です。

相変わらず新しいステキな音楽と出会えてます。
ジャッキー・ブラウンのように旧い曲ばかりにまみれたライフスタイルで日々を過ごしたいと思いつつも、まだまだ好奇心が止まらない。

イスラエルのバンド「Father Of Peace」とか最高にカッコイイし、「Vampire Weekend」なんかにもドンズバりとハマってます。

音楽もマンガも映画も小説も、自分の中にインサートしたいものが世の中には溢れるほどある。
そういうものたちに出会えたとき、ドキが胸ムネするんですよね。
これもまた一つの幸福のカタチなんでしょうね。
うん、多分きっとそうだ。

いつの間にやら私も54歳。
しかし残念なことにまだまだ全然未熟でございまして、今後も皆様方のご指導を仰がなければなりません。

長い間のご指導に感謝申し上げますとともに、変わらぬご教導をお願い申し上げて、お礼の言葉といたします。

まわりに溢れる愛に感謝します。

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝 

人はそれを宝物と呼ぶ

おおよそ30年前、そのアートワークを見た瞬間にビリビリと震えが来たのを覚えています。
当時はアナログ盤でって感覚がなくて、CD盤を購入したのですが、それも今は実家にでもあるのかしら。どうかしら。

そんなことも久しく忘れていたのですが、ついこの間フラッと入ったリサイクルショップでこれを見つけた瞬間、あのときと全く同じビリビリが全身を駆け抜けたんだった。

大好きなんですよ、このジャケット。
随分前に、国分寺のレコード屋で壁に飾られているのを見つけたのですが、なんだか凄く高価で手が出せなかったんです。
それがいきなり目の前に現れ、しかも当時の定価以下の1000円だったのだから、人生って面白い。
私は迷わずゲットしたのでした。

で、これまた面白いのが、正直このアルバムに収められている曲があんまり好きじゃないっつーところ。
スカパラもケン・イシイも好きなんですが、このアレンジは私のツボには入らなかったんです。

ただただ、この大友克洋先生が描いたアートワークがひたすらカッコいい。
なんなんでしょうね、この凄まじい魅力。
ってことでビシリとフレームインして飾ることにしました。
これを観るたびに、フワッと少年時代に戻るような感覚を味わえるわけです。
最高じゃないですか。

多分、こういうもの。
こういう感覚。
こういう体験のことを宝物と呼ぶのだと思います。
何人たりとも侵害させぬマイサンクチュアリなわけです。

股旅。

IF IT’S TOO LOUD YOU’RE TOO OLD

これは息子のギターにさりげなく貼られているステッカーに記された言葉。

「もし、それをうるさく感じるなら、キミは年をとり過ぎたってことさ……」

ってなニュアンスの意味になるのかな。

うむ、なかなかドキリとさせるね。

日々、12歳息子が奏でる音。エブリデイ、息子が愛聴する音楽たちがともかくやかましい。数曲だったらノリノリで聴けるのだが、だんだんワンワンうるさく感じ始めてしまうのだ。

かつては私もノイジーな爆音ミュージックをエンドレスネームレスに聴けたはずなのだが、いつの間にやら辛い、何しろキツい。

つまり、私も年をとり過ぎてしまったってことなのだね。あゝ痛感。

でも、これでいいのだ。むしろ、こうなったことを喜ぼう。な、そうだよな。

出来たら、耳触りの良い心地良いチルな音でよろしく願いたいものだ。優しく包んで癒してくれる音が良い。もちろん、たまには激しいのも最高だ。

一切、うるさい音楽をシャットアウトはしないままでいたい。それはもうベリー最高にちょうどいいバランスで。

何かが変わりそうで眠れない夜

つい先日更地にされた広い土地が近所にある。

きっと分譲されて、家が何軒か建つんだろうなと思ってたら、今日幾人かの市職員が来て重機で土を掘り起こしていた。

これはアレだ。

昨年、我が家の近くで縄文時代の遺構が出土したのだが、ここでもまた出るかもってことで調査しているのだろう。

ここ最近、我が家周辺は開発する際に遺構調査が義務づけられていると聞いたからね。

うちを建てた10年前には、そんな決まりはなかったのか。
それとも、既に調査が終わってたのかもしれないが、この辺りに縄文人が生活してたのは確かだし、もしかしたら我が家の下にも何かが埋まっているのかもしんまい。

一、二万年前、ここに人々の営みがあったのか……
嗚呼、ロマンチックでスペクタクル。

と言うことはだ。

ここはきっと安全な場所なのだろう。
そんな昔の遺構がちょっと掘れば出てくるっつーことは、大きな地盤の揺れがなかったってことか。

大雨を降らせる雨雲、雪を降らせる雪雲も、ここをちょっと避けてくれてる感がある。
狭山丘陵の恵みなのかしらん。
ヘビもよく遭遇するしね。
(蛇は臆病だから安全な地を好むらしい)
そりゃトトロもいるよねってわけである。

以上!