在りし日の歌

「行きたい!行きたい!」
と八歳息子が念仏のように唱えているので、これは願いを叶えてあげねばならんなと、地元所沢の娯楽の殿堂 “西武園ゆうえんち” に家族三人で行ってきた。

息子の目当てはもちろんアレ。
『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』である。
コレがもう最高だった。
月並みな言葉になるが「感動」した。

こりゃもう一発観たいな!
と思ったのだが、息子は二度と観たくないと言う。
何しろ怖かったのだそうだ。
「どうせ作り物だし〜」とか
「安全に作られてるっしょ!」とかって感覚がまだないのだ。

ニセモノだとは分かっている……
けどもしかしたらひょっとして!!
ってまだ強く考えてしまうお年ごろなのだ。
可愛いもんだ。
僕はいつ、そういう感覚を捨ててしまったのかな。
いつだろ。
いつかな。

フジファブリックの “陽炎” という僕の大好きな曲がある。
少年時代の在りし日の記憶を綴った名曲だ。
ちょっと気持ち悪いことを言うが、僕はこの曲を聴きながら、自分の在りし日を偲ぶのではなく、いつか息子がこういう瞬間を生きるんだな〜
って、それを想像して胸をほわほわさせている。

同じく、フジファブリックの “若者のすべて” という曲でも、いつか息子もこういう恋愛、出会いと別れを経験するんだな〜
ってジーンとしたりしている。
ね?気持ち悪いでしょ?

無くした何かがあったとしても、それを取り戻したいとは思わない。
今ある何かをこれから大切にしていけたらなと思う。

ともあれ『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』。
超オススメです。

これはなんだ?

はてさて困ったものである。

読み進めていた本『レコードは死なず』が、ココに来てスピード&テンションが急降下。
ちょっともう読むのやめようかしらん……って思い始めてもいるからヤバい。

その理由はわかっている。
何故か何故だか、この物語の主人公が好きになれないからである。

主人公は45歳の妻子持ちのフリーライターだが収入は不安定。
何を失くし、どうやってここまできたのかもすでによくわからなくなっている……そんな彼の心を突き動かしたのは、取材相手から聞かされた「今まで買ったレコード盤は全部大事に持っている」という言葉。
自分は遊ぶ金欲しさに全てのレコードを売り払ってしまっていたからだ。
よし、失ってしまった何かを取り戻すために、あのとき手放したレコードたちを探し出そう!

ってところまで、読んでて面白くはあるのだが、どうにもこの主人公の物事へのアプローチの仕方が気に障るのだ。

その理由も何となくわかっている。
多分、自分に似てるところがあるからじゃないのかな。
つまりあれだ。
同族嫌悪ってヤツなんじゃないかと。
いちいち理屈っぽくて言い訳がましいところにチリチリする。
つまり、この主人公は私に似てるのだ。

そうか、そういうことか……と今この駄文を書きながら納得しているよ。

ホントはね。
カユいところに手が届きまくって、そうなんだよな〜そうそうっ!
ってワクワクしながら読めると期待していたのだ。
でも、そういうときって、自分が勝手に共感しているだけで、向こうは遙か上のレベルだったりするのよね。
悲しいけど、その共感の正体は「憧れ」だったりするのよね。
痛辛。

そんなわけで、こういう本こそ読了するべきだなと今決心しました。
逃げちゃダメよね。

本読むのも、音楽聴くのも、映画を観るのも、ある意味(自分との)戦いだったりするのよねって話だ。
そんな面倒くさく考えることはないよって自分でも思うけど、こういう風に作品と向き合うって自分の中では大事なのよね。

さてと。
竹原ピストルでも聴くかな。
とことん向き合うぜ。

みんなちがって、みんないい。

今、小三息子の日々の宿題として、金子みすゞさんの『私と小鳥と鈴と』の音読が課されてまして。

毎日息子の拙い朗読を聞いているのですが、やはり最後のフレーズ “みんなちがって、みんないい” のところで、ググッと来てしまうのです。
それが子どもの声で聞くと、より響くのはなぜなんでしょうね。

それでですね。
昨日閉幕したパラリンピック閉会式での、クライマックスのダンスシーンを観た(生放送ではなくYouTubeですが)ときも、このフレーズがクロスオーバーして来ましてね。
もうね、床屋のオッサン涙が出ちゃいました。
だって、凄くステキだったんですもの。(長回しのワンカットってのがまた熱い!)
まさに “みんなちがって、みんないい。” でした。

解説の方が仰ってたのですが、知的障害の
ある方は決められたダンスを覚えるのがなかなか難しいそうなんですが、決まり事なしのフリーで踊ってもらうと、とても素晴らしいダンスを魅せてくれるんですって。
なんかとてもイイ話だなと、これまたグググッと来ましてね。
五十歳ナイスミドル理容師なハートを鷲掴みにされましたよ。

元ROGUE の奥野敦士さんが歌う『この素晴らしき世界』にも心揺さぶられました。
歌とか踊りって凄いですよね。
真っ直ぐ心にズキューンって来ますものね。
どんなものに心震わせられるかってのは、人それぞれ自由であるべきですよね。
それが自分と違うからって、下に見たり上に見たりすることはないですよ……って自分に言い聞かせているところです。

写真は、お客さんが乗って来た車たち。
これまた “みんなちがって、みんないい。”
写真をレイアウトしてみて、店の外観もまた季節や天気によって、いろいろちがった表情があることに気づきました。
うん、当たり前のことなんですけどね。
その “当たり前” になっていることを、いや〜やっぱり “当たり前” だなっ!って再認識することが大切なんですよ。

では股旅。

その手があったか!

日頃、お客さんにあんなレコードを聴きたいと言われ、んじゃアレを!って流れが頻繁にある。

で、そのレコードを探すのだが、これがなかなか見つからない……って展開に陥ることもまた頻繁にあるのである。

せっせと探すついでに目に留まった他のレコードを「これ!久々に聴きたいぜ〜」なんてキープしたりして、それがまた楽しかったりするのだが、コレってアレだよね。

レコードをジャンル別とか、アルファベット順にインデックスで分けたら楽勝で解決出来る問題なんじゃない?

この画期的なアイデアを思いついた瞬間震えが来た。
まさに「その手があったか!それだっ!」ってな気分である。
しょっちゅうレコード屋で目にしてるはずなのにだ。

そんなわけで近々ジャンル別にレコードを整理しようと思う。
アルファベット順にするほどの数ではないから、これで充分だろう。
にしても、なんで何十年も思いつかなかったのだろうか……

自分でちょっと分析してみたのだが、ひょっとしてそんな風に仕分けすることによって興醒めしてしまう何かがあったのではなかろうか……でそれを無意識のうちに避けていたのではないか……

“ランダム” な魅力ってあるのよね。
雑多な感じのあれね。
整理の先にあるのは “便利” と “合理性” 。
それも良いけど、そうじゃない良さもある。

なんか上手く言えないけど、自分にとっては凄かに画期的なことなのである。
世の中的には、普通だし当たり前のことだろうけども、これは自分史上でも大きな転換を示すことだと思う。

なんか、そういうの良いよね。

正解はないのである

最近、私が驚いたこと。

一つは、愛読している『ゴルゴ13』の作者であられる さいとうたかを先生が元理容師だったということ。
なんでかな……なんだかとても嬉しかった。

もう一つは、銀杏BOYZ の元ギタリストであられる チン中村さんがバンド脱退が発表された頃に、うちの近所にある 東京ばな奈の製造工場でバイトをしていたということ。

で、そのことが書いてあった著作を昨日読了したのだけど、文中に銀杏BOYZのメンバーのことがほとんど書かれておらず、“銀杏BOYZ” というバンド名すら出て来なかったことが、ちょっとだけ寂しかった。
もの凄く辛い思いをしたからなのか。
大切な時を共に過ごした仲間だからなのか。
うむ……きっとどっちもだろう。

『ゴルゴ13』は、今こそネットがあるので世界各地の画像を探すことが出来るが、それが無かった頃は資料集めに苦慮したそうだ。
冷静真っ只中では、特別な用事であちらに行ける方々にどうにかコンタクトをとって、写真を撮って来てもらったとのこと。

なんだか しょっぱいことを言うが、不便だった頃の方が熱量が高かったんじゃ?と思うのだ。
ネットでチャチャチャとちちんぷいぷいで、欲しかった画像が手に入る。
それはとても便利だし、コストも下がるし、何より速い。
でも、何か大切なことが抜けてしまったような気がしないか?
しないか!

若かりし頃、飲み屋で遭遇するオッサンたちに抱いた嫌悪感。
そんなオッサンに自分もちゃんとなってるっつーね。
なんだか、清々しい気持ちがしないか?
するよね!

さてと。
Jackie Mittoo でも聴くかな。
ユルユルにね。