父を憶う朝

おはようございます。
早朝五時台に目覚めてしまった朝。
二度寝するかしないか一瞬迷い、のそのそと起き出すのです。
そして、ぶらぶらと近所を散歩。
すると決まって、今の自分の年齢ってのがズシンと重く伸し掛かってくるのはナゼだろう。
四十六歳。
気づけば、こんな年齢になっていた。
父が四十六歳のときはどうだったろう。
私は三男坊で、その頃は小学三年生。
兄たちは、高校生と中学生だ。

凄いな……

絶句してしまう。
会社が休みの日は何処かへ連れて行ってくれた。
遠出しない日は本好きの父は駅前の本屋へと行く。
私は、その本屋の隣のおもちゃ屋が目当てで一緒に連れてってとせがんだものだった。

酒は浴びるほど飲むが、外へ飲みに行くことはなかった父。
若い頃はヘビースモーカーだったらしいが、長兄が生まれてピタリとやめたらしい。
会社帰りにプールに行き、ひたすら泳ぎ、そういえば休日の午前はテニスを楽しんでいた。
でも、楽しみといえばそれぐらい。
残りの時間は家族に費やしてくれていたのだな……と、自分がこの年齢になってやっとわかった。

四十六歳で、家を建て、三人の息子を養っていた父……

心の底から尊敬します。

私の相棒であるバーバーチェアー。
1964年製とあるから、53歳ってことか。
1964年と云えば、前回の東京オリンピックの開催年か。
数え切れない人が、この椅子で髪を切られたってことか。
そのうちの十三年が私のお客さんを切ったことになるのか……
スペクタクルだな。
これからもヨロシク。

なんてことをぼんやり考えながら、四十六歳の私はカブトムシとクワガタの飼育箱を掃除している。
BGMは Gregory Alan Isakov の「That Sea, The Gambler」。
近頃、こういうアコースティックギターの優しい響きに心和まされる。

 

 

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