世の中には、クリエイティブな仕事とそうでない仕事があるわけではなく、仕事をクリエイティブにこなす人間と、こなせない人間がいるだけである。それは態度の問題だ……

台風18号が近づいているとは到底思えぬ静けさの所沢市三ヶ島。
気圧の影響からか、なんだか今宵は気も漫ろ。
こんな時はこれだねと久々に Rage Against The Machine を流しながら、この日記を書いております。
どうもこんばんは。
先日ちらりと目にした是枝裕和監督のインタビューの中に、かつて監督がテレビマンユニオン新入社員だった頃に、社長であり音楽プロデューサーでもあった萩元晴彦さんに言われた言葉ってのが記されていて、それを読んでなんだかちょっと震えた僕がいました。
以下がそれです。
『世の中には、クリエイティブな仕事とそうでない仕事があるわけではなく、仕事をクリエイティブにこなす人間と、こなせない人間がいるだけである。それは態度の問題だ……』
要は気持ちの持ちようなのだと……。
僕の仕事も充分に存分にクリエイティブなのだと。
そう思ってイイのだと。
僕はそう受け取りました。
だけども、それを誰彼に主張することは決してしませんけどね。
心の底でそっとちょっと自惚れてもイイんだなと。
貴様の仕事なんぞ一つもクリエイティブじゃない!
と断言されようともそう思うことにしました。
新藤兼人監督の云う「質のイイ傲慢さ」ってヤツです。
四十路半ばも過ぎたことですし後はもう余生と言っても過言じゃないし、もうイイじゃないかと。
ダメですか?
話は華麗に変わるようで、僕の中ではシッカリ繋がっている話です。
僕が小学校の頃、ラジコンが流行りましてね。
親におねだりし、僕も買ってもらったんです。
TAMIYA のアウディ・クアットロを。
本当はワイルドウイリスが欲しかったんですけど、仲良しのクマ(熊谷くん)がもう持っていたんで、諦めたんです。
そんで、学校終わってから、あちこちで遊んでいたのですが、ある日 Sくんが、新しくラジコンを買ったと云うのでみんなで見に行ったんです。
わからないところとかを教え合いながら、Sくんはワーゲンバギーのキットを組んでいたのですが、あるはずの工具がないと言い出したんです。
Sくんは自分の部屋がなく、僕たちみんなお茶の間にお邪魔してて、すぐ横でSくんのお母さんがお茶をすすっている状況だったんですね。

 

探しても探してもない。
不思議なこともあるもんだと首をかしげてたら、何故か何故だかその工具が僕のズボンのポケットに入っていたんです。
今持って、なんで入っていたのかわからんのですが、僕は「あった!あったよ!」とそれを差し出したんです。
Sくんも友人たちも僕も「よかった〜!」と喜んでいたのですが、Sくんのお母さんだけ違ってたんですね。

 

「よく正直に言ったね。エラい!」

 

と僕に言ったんです。
一瞬、意味がわからなかったのですが、あ、そういうことかと。
Sくんのお母さんは、僕がその工具をくすねたと思ったんですね。
それを正直にちゃんと白状したと。
そのまま拝借せずに、差し出したと。
それがエラいと。
この一件は、僕の中でずっとうずうず残っているんです。
ま、そう思われても仕方ないのでしょうけど、なんか腑に落ちない。
あれから何十年も経ちましたが、未だにあの時のSくんのお母さんの表情を覚えているんです。
まあ、何が言いたいかと云うと、子供相手だからって、いや子供相手だからこそ自分の言動には気をつけなきゃなと思うわけです。
こうやって何十年もブスブスと燻ることになるわけですから。
僕みたいに、いつ迄も根に持つウツボ野郎もいるわけですから。
さてと。
夜も更けて来たのでそろそろ寝ます。
おやすみなさい。

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