散歩中、見知らぬお爺さんが、すれ違いざまにフンフンと鼻歌をうたっていた。
あれは何て歌だろう。
自転車に乗った高校生が微かに頭を揺らしている。
装着しているイヤフォンからは どんな音が流れているのだろう。
対向車のおばさんが運転しながらシャウトしている。カーステレオから どんな音楽が鳴り響いているのだろう。
それぞれの人のそれぞれの生活にそれぞれの音楽が寄り添っている。
素敵じゃないか。
そして僕は、近頃ちょっとハマっている GREEN DAY をハミングしている。
今更グリーン・デイ?
と笑われるかもだが、僕はこの「今更」が結構好きだ。
いろいろ「今更」な感じで生きていきたいとすら思っている。
かつて流行っていたものに “今更” 手をつけ、ふむ……やはり流行るだけのことはあるな……そこに確かな理由があるのだよな〜
なんて納得するのが好きだ。
かつては遅れるのが嫌だったし怖かった。
先に先にと突き進んでいた。
でも今は遅れているのが気持ちいい。
ときには止まってもイイ。
そしてそのまま、そこを掘りたい。
その方が自分にとってイイものが見つかったりするのよね。
何故か何故だか。
それが面白いのである。