人生は不安タスティック

店内照明に使用していたエジソンバルブが切れた。
現店舗移転時からだから、7年1ヶ月頑張ってくれたことになる。

こんなシャレオツな電球なんて、どうせすぐに切れるんだろと予備も用意しといたのだが、まさかの超長寿命。
ごめんよ、おじさんキミの力をみくびっていたよ。
天晴だ!

バックルームで7年待機させられていた予備電球ちゃんも元気よく煌々と光を灯してくれた。
これからまた七年頑張ってくれるのだろう。
そのとき、おじさん58歳になってるよ。
この7年で、このエジソンバルブを買った店は無くなってしまったし、世間の灯りはLEDが主流になったし、2歳だった息子は9歳になったし、元号も変わった。

これから7年後。
きっと想像した以上に騒がしい不安タスティックな未来が僕を待っているんだろうな。

※注 『不安タスティック』とは

人生はつねに不安なものである、しかし、
「不安」に「タスティック」をつけることによって毎日をたのしんでいこうじゃないか──ということです。

「なんだって、不安じゃないとつまらないものさ」と、自分自身を洗脳していきましょう。

ぼくはつねに自分のことしか考えていないからか、昔から、人に叱られることが多いようです。

ですから、なにか行動を起こすとき、いつも
「叱られるんじゃないか、叱られるんじゃないか」と考えてしまいます。

逆に言えば、いつもそこから考えをはじめているのです。
それは確実に、ぼくの起爆剤になっています。
人生は不安だからこそ、ファンタスティックなのです。

みうらじゅん 

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