“VIDEOTAPEMUSIC” の新譜が出ると聞き、胸が踊ったのも束の間、何とテープのみでの販売だとのいう。
絶対レコードで欲しいアーティストだけに、いやちょっとそれは……と尻込みしたのだが、その曲目リストを見て瞠目した。
多摩湖……
私の実家のすぐそばにある人造湖“村山貯水池”の通称である。
それが一曲目のタイトルなのだ。
今まで、多摩湖をフィーチャーしたアーティストがいただろうか?
私が知る限りいないぞ!
では何故?
俄然聴きたくなったのは言うまでもない。
もしや、VIDEOTAPEMUSICは御近所さんなのでは?
うわ嬉しいっ!
SNS を覗いてみたら、青梅やら武蔵村山やら、所沢、etc。
私の青春生活圏と駄々かぶりしてるではないか。
嬉しい!
大好きなミュージシャンがすぐそばで、あの名曲たちを作っていたなんて!
私は購入するぞと決意したんだった。
そして一昨日。
そのアルバム『Revisit』が届いた。
すぐに聴いた。
一曲目の『多摩湖』が店内にBGレベルの控えめな音量で響き渡った。
私は感動していた。
その音を聴いて、私が知っている多摩湖とシンクロしたからだ。
これって、途轍もなく凄いことだと思う。
なかなか味わえる感慨ではない。
生きてて良かったとすら思った。
付属しているブックレットをパラパラと捲る。
どうやら、VIDEOTAPEMUSICさんは御近所さんではなく小平の方の出身のようだ。
立ち寄っているリサイクルショップやラーメン屋も知っているところだ。
私の青春生活圏に彼は確かにいる。
どこかですれ違っても、気づけないだろうけども。
テープを聴ける環境はないが、ダウンロードコードが付いているので、それで聴いている。
しばらくヘビーローテーションだな。
多摩湖云々は抜きにしても、素晴らしいアルバムだからだ。
ブックレットも熟読しよう。
こういうことが起こるから、やっぱり人生は面白い。
この年齢になっても、まだまだ“初めて” を体験出来る。
すなわち最&高なのである。
股旅。