気の向くままにネットをサーフィンしていたら、若くして亡くなったラッパーのページに行き着いたのでした。
彼の名前は知っているが、彼の楽曲はほとんど知らず、どちらかというと僕の中ではミュージャンと言うより役者の印象。
人気絶頂のとき、彼が銃撃を受けて死亡したというニュースは衝撃的でした。
それはつまり彼が歌う世界、彼が演じている世界が「本当であり本物」なんだということだったからです。
疑っていたわけではないけども、平和日本で呑気に学生生活(しかも通常より二年遅れ)で過ごしていた真性ウツボ野郎の僕には、どこか絵空事のように感じられていたからでしょう。
彼の死を告げるニュースを見て、さらに驚いたのが、彼が僕と同い年だったこと。
どんだけ濃厚で濃密な人生だったんだよ!
とウツボ野郎は空を仰いだのでした。
それから二十五年が経ち、気まぐれに彼の情報をおさらいしていたのですが、未だに彼を亡き者にした銃撃事件が未解決だと知り、またまた衝撃を受けたのでした。
さて、じゃあこれを切っ掛けに彼が遺した音源を聴いてみようかな……
となると思いきや、そんな思いは一つもわいて来ないのでした。
これはそれなりに覚悟がいるぜ、生半可な思いじゃ向き合えないぜと感じたからなのかも知れません。
シノゴの言わずにまぁ聴いてみなよとリトルテッペーも耳元で囁くのですが、五十路に突入した今も、こういうところは面倒臭い野郎のまんまで行きたいなと思っているのです。
誰も褒めてくれない面倒臭い部分、誰にも気付かれない、誰も気にとめない“こだわり”。
こういうの大切ですよね。多分ですけど。
とどのつまり、まぁ「ヤァマン!」で行こうぜってことです。