はてさて困ったものである。
読み進めていた本『レコードは死なず』が、ココに来てスピード&テンションが急降下。
ちょっともう読むのやめようかしらん……って思い始めてもいるからヤバい。
その理由はわかっている。
何故か何故だか、この物語の主人公が好きになれないからである。
主人公は45歳の妻子持ちのフリーライターだが収入は不安定。
何を失くし、どうやってここまできたのかもすでによくわからなくなっている……そんな彼の心を突き動かしたのは、取材相手から聞かされた「今まで買ったレコード盤は全部大事に持っている」という言葉。
自分は遊ぶ金欲しさに全てのレコードを売り払ってしまっていたからだ。
よし、失ってしまった何かを取り戻すために、あのとき手放したレコードたちを探し出そう!
ってところまで、読んでて面白くはあるのだが、どうにもこの主人公の物事へのアプローチの仕方が気に障るのだ。
その理由も何となくわかっている。
多分、自分に似てるところがあるからじゃないのかな。
つまりあれだ。
同族嫌悪ってヤツなんじゃないかと。
いちいち理屈っぽくて言い訳がましいところにチリチリする。
つまり、この主人公は私に似てるのだ。
そうか、そういうことか……と今この駄文を書きながら納得しているよ。
ホントはね。
カユいところに手が届きまくって、そうなんだよな〜そうそうっ!
ってワクワクしながら読めると期待していたのだ。
でも、そういうときって、自分が勝手に共感しているだけで、向こうは遙か上のレベルだったりするのよね。
悲しいけど、その共感の正体は「憧れ」だったりするのよね。
痛辛。
そんなわけで、こういう本こそ読了するべきだなと今決心しました。
逃げちゃダメよね。
本読むのも、音楽聴くのも、映画を観るのも、ある意味(自分との)戦いだったりするのよねって話だ。
そんな面倒くさく考えることはないよって自分でも思うけど、こういう風に作品と向き合うって自分の中では大事なのよね。
さてと。
竹原ピストルでも聴くかな。
とことん向き合うぜ。