最近どうにもレコードを聴いてても音が抜けない。
何ともなしに くぐもる感じがして、どうにもスッキリしない日々が続いていたのである。
さすがに針がもうダメなのかと、交換してみるのだが、それでとやはりモッキリしない。
そうこうしているうちに、レコードを回す機会も減り、流行りのサブスクとやらをBluetoothとやらで飛ばして「うむ、こういうのも悪くないね!うふふ」などと嘯いていたのだが、ハッと思い立ったのである。
これはもう、針がどうこうではなくカートリッジそのものが劣化してしまったんジャマイカ?
だって、これ彼此もう二十数年使ってるよね。
そりゃ弱るよね!
もう、そうに違いないぜと強引に確信し、ビシッとカートリッジごと交換してみたら、ものすごく良い音が鳴り響いたから震えた。
久しぶりに、まさに「感動」って言葉が相応しいほど胸が高鳴った。
そうなのだ。
これが、これこそがレコードの音なのだ。
テンションが駄々上がってしまった私は、せっせと暫く針を落としてなかったレコードを取り出し聴いている。
なんだか、遠い昔になくした物が不意に出てきたような、そんな想いに満たされている。
なんじゃそりゃ?
こういう感情の移ろいって、そのほとんどがただの思い込みだったり、気のせいだったりするのよね。
でも、そういうことこそが人生にとって大切だったりするのよね。
なんつって。