軽々と時空を超える

行きつけの模型店でこのキットを見つけたときは心が震えました。
(しかもビックリするくらい格安で)

あれは1983年。
私がまだ小学6生生だったときのこと。
愛読していた模型紙「ホビージャパン」に広告を載せていた大阪の輸入プラモデル取扱店に手紙を書き、このキットを通販で手に入れたのでした。

まだまだネットもない時代です。
どうやって代金を払ったのか、送料が幾らだったのかも覚えていませんが、届いたとき、箱を開けたときのワクワクは相当なものだったのを覚えています。

店員さんが書いてくれたであろうイラスト付きの手紙も添えられてて嬉しかった。
近所にあるプラモ屋には輸入物は置いてなかったし、都内の模型店は小学生には遠かった。
だから、このキットを買ったすぐ後に新所沢PARCOがオープンし、テナントの中に憧れだった模型店「ポストホビー」も入ると知ったときは気絶しましたし、もちろん開店日に駆けつけ、店内に並ぶ輸入プラモデルを見たときには失神したのは言うまでもありません。
そして私は同じキットをポストホビーでも買ったのでした。

何しろ、この『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(今は「ジェダイの帰還」になっている)に登場するスピーダーバイクが私は好きだったのです。
だってたまらなく、カッコいいじゃないですか!
2個買いも致し方ないわけです。

こんな少年時代に自分をワクワクドキドキさせたものってのは、いとも簡単に時空を超えて何も変わらず胸を高鳴らせてくれるものなのですね。
このキットを作っている最中も、ずっと胸が熱くなりっぱなしでしたもの。

にしても、やはり四十年以上前のキットなわけで、状態は言わずもがなウンジャラゲ。
作っている最中にパーツは割れるし、組み合わせも悪いから繋ぎ目が剥き出しだし、フィギュアを乗せようとしても、ちゃんとハンドルを握ってくれないわけです。

そこをどうにか出来る技、工夫、知恵も今は身についているのですが、ここは敢えてそのままにしました。
これは、下手くそ過ぎた四十年前の自分への憧憬と言う名のリスペクトであります。
押忍。

たかだかプラモデルでありますが、こんなスペクタクルでワンダフルでビューティフルな気持ちにさせてくれるのです。
皆さんも、ご自分の「好き」を大事にしてください。
子どもや配偶者の「好き」も大事に出来たらモアベターであります。

さあて。
明日はどっちだ。

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