その流れに乗ってみる

ちょっとココ最近、やけに私の身辺が断捨離ムードに満ち満ちて来ているのを感じるのです。

自分が読んだ本や聴いたCD。
以前は、これが我が人生、まさにオレのライブラリーなんだぜ!

と鼻息荒く棚などにツラツラと並べていたものなんですが、なんかどうも執着?
そういう思念が薄れて来たのですかね。

いや、むしろ今後に必要なものを選別するステージに入った感じ?

書いてて自分でもチンプンカンプンなのですが、これは多分きっと良い方向に向かい始める兆候に違いないと思っております。

また読むかも!

と思っていた本、まず読まないよね。

これ読んだんだぜ!

それってただの自己アピールだっただけだよね。
だから、持ってなくてもいいよね。
自分がわかってればいいんじゃない?

そんな心境になっているわけです。
それはつまり今後の自分に必要なものが、人が、関係がわかり始めているってことです。
だから全てはオールライトなわけです。

この私が手にしている本『去年の雪』(村岡栄一 著)は、そんな気持ちになり始めていた自分をさらにさらに後押ししてくれました。

もういいかな〜

と感じる物事がある反面、

これこれ!こういうのを待ってたんだよ!

とビンビン思わせてくれる物事との出合いもある。
五十代、いろいろと面白くなって来やがりました。

なんかこうね。
気取らず、気張らず、のほほんと行きたいですね。
まあ、なんつうかよろしくお願い申し上げます。

股旅。

おかげさまで

おはようございます。

本日、10月5日。
我が DOODLIN’ BARBER SHOP は、目出度くも開店19周年を迎えさせていただきました。

これもあれも何もかも、皆々様の暖かいお力添えとご指導とご愛顧と、えっとそれから、ご支援のお蔭と心より御礼申し上げます。
どうもありがとうございます!

灼熱地獄がやっと終わったかしらんと思いきや、急激な気温の低下に少々アップアップしてはおりますが、気合い入れて声出して感謝の気持ちではち切れんばかりに一日を過ごそうと思います。

月日は百代の過客にしてとはよく言ったもので、ホントまあ思い返せばチチンプイプイ。
それはもう、あっと言う間の19年ではございましたが、一言で申せば『まぁいい感じ』に尽きるわけで、それ即ちナイスな19年間だったと自負しております。

“19” と云えば、言わずもがなポール・ハードキャッスルの曲『19』を思い出してしまうわけです。
これは、アメリカのベトナム戦争従軍兵の平均年齢が19歳だったことを表しているのですが、この曲がリリースされた1985年に14歳だった私は、その事実に戦慄したことを強烈に覚えてまして。
でも別に、この曲が好きだったわけでもなく、何故か不思議と心に残っているのです。
こういうことってありません?
で、案外そういうことが、日々を毎日を面白くしてくれてたりしませんか?
どう?

でも、たかがされど19年。
開店当時に生まれたコがすでに19歳になっているわけで、つまり時と場所次第では戦地に赴くハメになってたかも知れないわけで、なんだかちょっと感慨深いわけです。
33歳だった私は52歳になりました。

いろいろたくさん諸々様々ありました。
19周年。
立派です。
応援し支えてくれた妻さん&息子、そして友人たち、お客様、皆々様に感謝感謝です。

今後もどうぞどうぞ DOODLIN’ BARBER SHOP をヨロシクお願いします。

私は今年も目立たぬように、はしゃがぬように、似合わぬことは無理をせず、人の心を見つめつづける。
そんな時代おくれの男になることを目標に日々精進いたしましょうかね。

ともあれ周りに溢れる愛に感謝します。

2023年10月5日
DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝

今そこにあるテクノロジィ

二ヶ月間、無料で使えるっつーことで、Apple musicとやらに登録してみたのです。

片っ端から定額聴き放題ってシステムが、どうにも床屋のオッサンは好きではなく、だってほら、その音楽が持つ尊さとかが低くなっちゃう気がするじゃないですか。
私としては一聴入魂したいので、ダラダラと垂れ流すってのはどうにもねぇ……

なんて眠たいことをほざいていたのですが、登録してみたら感謝感激感動の嵐。

ちょっと聴いてみたかったアーティストの曲とかがズバズバ聴けるし、おまけに「こんな曲好きならこんなんDO?」ってオススメまでしてくれるし、それらがまたかなりの高確率で好みのものばかりで、うわ〜こりゃスゲーわマジで!

と膝を叩きまくっているところなのです。
そしたら、今の気分にドンピシャリミテッドなレコードジャケットがあったので写真に残すことにしたのです。

どうです?

この横尾忠則先輩の狂気に満ちた凄まじいパワフルさ。
こういう圧倒されるものに出会ったとき、私は「これがもしや芸術ってやつなのかしらん……」と遠い目をするのです。

そんなテンションで、先日ゲットした『ブルース飲むバカ歌うバカ』(吾妻光良著)をペラペラ捲っていたら、B•B•キング先生がこんなことを仰っていて「こ、これはっ!」と稲妻が体内を駆け巡ったような気持ちになったのはココだけの秘密です。

『今の時代ってのはテクノロジィ抜きには考えられないわけで、それにムリヤリ抵抗する必要はありません。
何故ならそれは良い物だからですね。
テクノロジィのもたらしてくれる物は何にせよ良い物です。
確かに悪い物もちょっとあるでしょうが、ほとんどは良い物です。』

この言葉も誰が発するかで全然違うものになります。
あのB•B•キング御大が仰っるから、もの凄い「意見」になるのだと言うことを人は忘れてはいけません。
これ、結構忘れがちなんで肝に銘じてます。
常に「お前、身の程をわきまえろよな!」と己に言い聞かせているエブリデイなのであります。
押忍。

そんなわけで、最近はApple musicで よく奇妙礼太郎さんを聴いております。
奇妙礼太郎の音楽から派生する、色々様々な音にも耳を傾け、また新たな音を見つけているわけであります。

あゝ忙し。

股旅。

今しか僕にしか出来ないことがある

二十数年前、『田宮模型の仕事』という本を読みましてね。
その製品化への道のりに胸が熱くなり、思わず買ってしまったのが、このタミヤの「HONDA F-1 1/12」。

箱のデカさとパッケージのカッコ良さに痺れまくったのですが、開けてみてションボリ。

どう足掻いても、自分には作れない難しいキットだと諦めたのでした。

で、それから二十数年が過ぎ。

再びプラモデル作りに夢中になり、どうにか趣味にまで昇華させつつある床屋のオッサンである今現在の私は思い立ったのです。

「もしや、今のオレちゃんだったら作れるんじゃない?どう?」と。

思い立ったら吉日。
バックルームにしまってあったキットを取り出してパカンと箱を開けてみると……そこには黄ばんだ組立説明書とデカール、触ればポロリと落ちてしまうパーツたち。

そりゃそうである。
二十年以上、ほったらかしにしてたんですもの。みつを。

しかし、これならイケるぞ!イケるはずだ!
と私は製作に着手することを決意したのでした。

まずは弱っているであろう各パーツの補強を兼ねてサフを吹き、ベースとなるホワイトでコーティング。

それからゆっくりと作り始めたんだったんだった。

しかし、やはりパーツの劣化はかなりのもんで、組み立て途中での破損が相次ぎ、私は膝から崩れ落ちそうになること数十回。

何度も挫けそうになったが、どうにか完成にこぎ着けました。

まあ、我ながら酷いもんです。
途中で諦めた箇所も幾つかあるし、デカールもあちこち割れちゃうし、パーツが沿ってるから辻褄合わせでやるしかないし……

古いキットだから仕方がないぜ!
だなんて言い訳はダサいからしません。
ハッキリと私の実力不足が露呈した結果がこれです。

でもね。
私は出来立てのコイツが愛おしくてしょうがないのですよ。

このしょうもなさは、全て私そのもの。
これが圧倒的な現実であり実力なのだと思うとたまらなく可愛いのです。
見てるだけでワクワクしちゃうんです。

こういうところが模型作りの良いところ。
なにしろ「自由」なんです。
下手だろうとコレは私が作った私のキットなのですから。
何人たりとも侵害出来ないサンクチュアリなのです。

ああ楽しい。

Doodlin’ Drab

「お父さんが好きな色はオリーブドラブだよね」

息子が唐突にそう言ったのでした。

オリーブドラブ、それは色の名前である。
第二次世界大戦からベトナム戦争時期まで、アメリカ軍の戦闘服および車両の標準塗装色として使用されていたので、皆さんも戦争映画などで観たことがあるでしょう。

うむ。
確かに嫌いな色ではないが、好きな色は?と訊かれて直様「オリーブドラブ!」と即答する人は激レアだろう。
私も、いの一番に出てくる色ではない。
何をどうして息子はそう思い至ったのであろうか。
謎だな。

で、このオリーブドラブ。

私はつい最近まで「オリーブ・ド・ラブ(Olive De Love)」って印象でこの色名を捉えていたことを白状しよう。

愛のオリーブ……的な?
そんな色名だから、なんだかロマンチックだな〜
だなんて夢想していたポンコツボケナスな私です。

だから実は「オリーブ ドラブ(Olive Drab)」 なのだと知ったときは驚愕した。
と同時に恥ずかしさで胸がいっぱいになった。

頭の中で「オリーブ・ド・ラブ(Olive De Love)」だったものが「オリーブ ドラブ(Olive Drab)」 に変換されて行くのが気持ち良い。
なんなのだろうか、この感情は。

で、この「ドラブ(Drab)」だ。
ドラブとは、あまりかぐわしくないって意味合いらしい。
面白くなく、無関心、陰気、不快、輝きや明るさや色彩に掛けていることを表す言葉で、これが色の形容となると「ドラブなオリーブ」ってことで、鈍いモノトーンの茶褐色になるのだそうだ。

なんだかちょっとグッと来てしまったのは何故だろう何故かしら。

ドゥードゥリン・ドラブ (Doodlin’ Drab)

なんかいい。
響きもいい。

このドラブ。
いつか何かを作るときのヒントにしようと思います。

では股旅。